長野県で行われた「JA共済杯 第53回全日本リトルリーグ野球選手権大会」(7月19日~22日)で優勝した調布リトルリーグが8月9日、世界選手権に向け渡米する。
調布リーグは、同大会準決勝で浜松南リーグを、続く決勝では、牛久リーグを下し、3年ぶり11度目の栄冠に輝いた。世界への切符を手にした同チームは、現地8月15日に米ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開幕する「第73回リトルリーグ世界選手権」に、日本代表チームとして出場する。
山下孝次監督は「初戦の仙台東リーグに勝利したことが大きかった。そこからいい流れに乗って、優勝を引き寄せた。今大会はフォアボールが少なく、ピッチャーが安定していた。ホームランを打ったバッターが5人、4試合で37得点、失点は1。攻守のバランスが取れていた」と、全日本での戦いを振り返る。
同チームは、2015(平成27)年に野球殿堂入りした故・林和男さんが創設したリトルリーグ最古のチーム。帯同するスタッフの一人、永瀬誠コーチは、選手として1976(昭和51)年の世界選手権に出場。元プロ野球選手で現在、日本ハムファイターズの二軍監督である荒木大輔さんとバッテリーを組み、世界一に輝いた。コーチとしては、2016(平成28)年に継ぐ2度目の世界選手権で、「選手として、さらにコーチとして世界を経験するのは、調布リーグの歴史あってのこと。長年の伝統と実績の積み重ねが、今日のチーム力につながっている」と山下監督。
監督は「次の高い山に登るためには、一度地に下りてまた登り直す。頂点を目指すとはそういうこと。世界選手権も、全日本と同様に1勝をきっかけに扉を開き、一つずつ勝ち上がり、一つずつ先に進んでいければ。子どもたちにとって、世界大会は一生に一度の財産。試合はもちろん、町や大会の雰囲気、外国人選手との交流も大いに楽しんでほしい。私自身も、12歳の日本代表14人の戦いぶりが楽しみ」と笑顔で話す。
主将の小針大輝選手は「3年前の世界大会、未勝利に終わった先輩たちのリベンジで、まずは初戦を突破して、一戦ずつ大切に、1試合でも長く調布の仲間と野球がしたい」。エースの西川立翼選手は「全日本は予選から本戦まで、チーム一丸となり声を出して戦った結果、勝利できた。世界でも同じように戦いたい」と、意気込みを語る。
同チームは、現地8月16日に、ヨーロッパ・アフリカ代表と戦い、続いて3年前黒星を喫したカナダとメキシコの勝者と戦い、同25日の決勝戦を目指す。