調布飛行場に隣接する都立武蔵野の森公園(東京都三鷹市・調布市・府中市、TEL 042-365-8435)のサービスセンターで、旧陸軍の戦闘機「飛燕(ひえん)」と推定されるプロペラの常設展示が始まったことを記念し、10月13日、「飛燕プロペラ一般公開記念エキシビション~調布飛行場が遺した戦争の記憶展示~」を開催する。
「飛燕」は第二次世界大戦で使用された三式戦闘機(さんしきせんとうき)の愛称。陸軍の主力戦闘機として3000機以上が造られ、旧陸軍調布飛行場には1943(昭和18)年7月に配備された。敗戦後は連合軍の命令によりプロペラを外し、本体は米軍により燃やされたとされる。
2009(平成21)年に同園の三鷹市側敷地で大沢総合グランドの整備工事中、深さ2メートルの地中から3枚羽根のプロペラ3つが発見され、その50センチ下から機体の頭部の一部も出土した。専門家の調査によりプロペラの2つは「飛燕」だと推定され、1つは改良型の「五式戦闘機」だと分かり、機体頭部は「五式」のスピンナー(回転帽)だった。
市民グループ「調布飛行場の掩体壕(えんたいごう)を保存する会」や東京都などが歴史遺産として保存・展示する活動を進めた。同園内には、戦時中に戦闘機を空襲から守ったドーム状格納庫「掩体壕大沢1号・大沢2号」がある。周辺地域には飛行場門柱・玉石張り水路・高射砲台座跡・弾薬庫などもあり戦争の記憶を伝えている。
当日は、9時30分に「プロペラ展示と調布飛行場が遺した戦争の記憶のパネル展示」が始まり(解説員15時まで)、10時から関係者による式典と、事前申込者対象の講演会「調布飛行場と戦闘機『飛燕』」を行う。「調布飛行場の掩体壕を保存する会」が解説する掩体壕見学会(13時・14時15分、当日受け付け先着30人)も開催する。
保存会の長尾さんは「貴重な実物史料を見学することで、この地で起こった戦争の歴史について考え、平和への思いを新たにする機会になれば」と話す。
公園は常時公開。サービスセンターは8時30分~17時30分、年末年始(12月29日~1月3日)のみ休館。入園・入館無料。