1月12日に開幕したジャパンラグビートップリーグ2020に併せ、調布で創作活動をする画家・ヤス岩井さんの「ラグビーW杯回顧展」が18日から、西調布駅近くのギャラリーで開催される。
理工学部出身という異色の画家、ヤス岩井さん。昔から絵が好きで、2007(平成19)年ごろ、本格的に絵を描き始めた。府中出身で、現在も服飾デザインの仕事は府中を拠点にしているが、ラグビーワールドカップの開催がきっかけで、訪れた西調布にアトリエ兼ギャラリーを開いた。
岩井さんは、ハワイの風景画や東京の下町風景、世界や日本で活躍するスポーツ選手、アーティストの肖像画などを主に描いている。作品は、水墨、彩墨、切り絵、ペン、アクリル、鉛筆、色鉛筆、油絵など、多彩な絵画技法の組み合わせによる独創的な作風が特徴。「技法の掛け合わせは無数にあり、どれも表現できるものが違う。例えば、墨の濃淡で表現する水墨画は好きな表現の一つ。喜んでもらえるので、肖像画は本人やファンにプレゼントすることも多い」と話す。
スポーツ選手を描き始めた理由は、鹿島アントラーズでプレーし、日本代表監督も務めたジーコさんを崇拝しているからだと言う。サッカーに始まり、野球やラグビーなどスポーツは描く対象が広がった。「ラグビーW杯回顧展」には、選手やワールドカップのシーンなどラグビー関連の作品70点に加え、調布の風景画も出品予定。
「一見、誰も描かないようなありふれた街角を描くのが好き。絵の中に自転車を描くと、人の気配が感じられ、今にも動き出しそうになる」と岩井さん。ギャラリーのある西調布商店街のカフェや焼鳥居酒屋、調布・天神通りの「い志井」を描いた作品は、「写真にしか見えない」とSNS上で評判になっている。「今後も調布や府中など地元の風景を描き続けたい」とも。
岩井さんは「今は動画が主流の時代だが、絵でしか表現できないものがたくさんある。絵で表現しているからこそ生まれる動きや躍動感を、ぜひ見て感じてほしい」と話す。
開催は、1月18日・19日・25日・26日の4日間。開催時間は11時~18時。入場無料。