服飾と活版印刷のアトリエ「服とタイポグラフ」(調布市菊野台1、TEL 090-7642-7977)が5月4日、服飾の展示会「隔たりと服とタイポグラフ」をオンラインで開催する。
前回の展示会「澱と服とタイポグラフ」オープニングライブの様子 ワインの澱で染めた新作ワンピースとコートを着て
パリや東京で服飾のデザインや縫製などを習得した阿部粋己さんは、活版印刷に魅了され技術を習得した妻のアンさんと共に、2016(平成28)年ごろから文字をモチーフにしたデザインや、活版印刷で直接印刷した布を使った洋服などを受注生産する「服とタイポグラフ」ブランドを運営してきた。2018(平成30)年8月には、自宅で行っていた服飾製作・展示販売と、活版印刷の技術を伝承する常設のアトリエとして「服とタイポグラフ」の実店舗をオープンした。
昨年3月に、アトリエで行う初めての展示会「澱(おり)と服とタイポグラフ」を開催。ワインの澱(おり)で染めた新作の発表を行うとともに、新作を着用したミュージシャンがライブを行い、染色に使ったワインなどを提供するバータイムを設けるなど、多様なイベントで来場客を楽しませた。さらに12月には、伊勢丹新宿店の特別催事「ブティック森岡」にも招待されるなど、活躍の場を広げている。
今年4月に出された緊急事態宣言以降アトリエは休業。先が見えない現状を踏まえ、実店舗に頼らない新作の発表や販売を模索したいと、オンラインでの展示会に挑戦する。アトリエにウェブカメラを設置してZoomとユーチューブをつなぎ、新作を発表。商品を展示して説明し質問に答え、展示会に来場しているかのように何時に行っても何時間滞在してもよい出入り自由な「緩い」つながりのイベントを目指す。
今回の展示会で発表する新作は「うちでゆっくり過ごすための服」としてパジャマ式の「STAY HOME WEAR(ステイホームウエア)」。通常のコレクションも展示販売し、イベントでは新作を着用したミュージシャンによるライブ、アーティストによる朗読や3Dドローイング、茶人による点前、和とじのデモンストレーション、フィットネストレーナーによるストレッチ指導など、企画に賛同してくれたアーティストやミュージシャンが自宅などからイベントを届ける。
阿部さんは「物理的には離れているが、同じ時間を過ごして多くの方々とつながりたい。世界中どこからでも来場できるので、のぞいてみていただけたら」と話す。
開催時間は12時~20時。来場方法はアトリエのインスタグラムとフェイスブックで告知する。