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調布のライブハウスが動画配信サービスを独自に開発 ライブ視聴者キャパの5倍

ライブハウス「Cross」の高木敬介さん。自粛期間を有効活用し、独自の電子チケット制動画配信プラットフォーム「Qumomee(クモミー)」を開発

ライブハウス「Cross」の高木敬介さん。自粛期間を有効活用し、独自の電子チケット制動画配信プラットフォーム「Qumomee(クモミー)」を開発

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 調布駅近くのライブハウス「Cross(クロス)」(調布市小島町1、TEL 042-490-7301)が、独自の電子チケット制動画配信プラットフォーム「Qumomee(クモミー)」を開発し、コロナ禍で苦境のライブハウス経営に一石を投じようとしている。

ライブハウス「Cross」入口

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店長の高木敬介さんが、自身の地元に音楽の拠点をと2019年11月にオープンした同店。連日イベントを開催し、地元にも知られ始めたころ、新型コロナウイルスの感染が拡大。4月以降は通常のライブイベント全ての中止を決めた。オープンから約半年で苦境に立たされた高木さんは「この時間を有効に使おう」と、独学で、既存には無い、ユーザーの使いやすさを重視した同サービスを開発。5月31日には、同系列店の下北沢「BASEMENTBAR」からバンドライブを初生配信した。

同サービスは、電子チケットの事前購入者のみがアクセスできる有料コンテンツや無料のコンテンツをサイト内で提供。登録料、年会費不要で、配信者には投げ銭を含む売り上げの最大90%を還元する。8月2日に開いたバンド「羊文学」の配信ライブでは、同店の通常収容可能人数150人に対し約800人が有料視聴したという。「活動の場を失ったミュージシャンの支援と、業界の活気になれば」と高木さん。9月末には同サービスを一般にリリースし、インディーズ映画や音楽のレッスンなども配信していく予定。

現在は、できる限りのイベントとバー営業を続けている。月2回の「初心者DJナイト」では、高木さんが手ほどきし、毎回数人のアマチュアDJが誕生しているという。ウェブストアも開設し、「Until when we can Cross」(また握手やハグができる時まで)をテーマにしたTシャツやグッズ、ライブ音源などを販売。8月からは、入場制限や感染症対策を講じた有観客ライブを徐々に開催し、有料生配信を同時に行っていく。

 「何もできない時期に、近隣の飲食店の方々が気に掛けてくれたことが本当にありがたかった」と高木さん。「当面は配信中心だが、改めて生の良さも実感する。ジャンルを問わず、何かやりたい人は相談してほしい。できる方法を一緒に考えたい。この場所のアイデンティティーをみんなで作ってほしい。特に若い子たちが夢をかなえる場所でありたい」とも。

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