調布市の私立ドルトン東京学園(調布市入間町2、TEL 03-5787-7945)で現在、カリキュラムの一環として中学生向け起業家育成プログラム「ガイアックス特別ラボ起業ゼミ」が実施され、11月28日、3人の生徒に事業アイデアの検証費用が贈呈された。
ドルトン東京学園の起業ゼミで事業アイデアのターゲットにオンラインでヒアリングする様子
アメリカで約100年前に提唱された学習者中心の教育メソッド「ドルトンプラン」を実践する場として、2019(平成31)年4月、調布市仙川駅を最寄りとする住宅街に開校した中高一貫の同校。生徒の自主性と創造性を引き出し自律的な学習者へと成長させることを目標に、多様な学びや交流が生まれる仕掛けとして自由にコミュニケーションできるスペースを多く配置した校舎で、ICTも活用した独自の教育活動を行っている。
生徒自ら学びを深めるカリキュラム「ラボラトリー」の一つとして用意された「起業ゼミ」は、実社会とつながりながら課題を見いだして学びを深め、イノベーティブな発想の土台をつくることを目的に今年9月からスタート。新規事業を立ち上げる若者へのアドバイスや投資を行うガイアックススタートアップスタジオ(千代田区)協力の下、事業アイデアを考える体験授業を経て選抜された生徒14人が起業について学ぶプログラムに参加している。
同ゼミでは、ガイアックスのスタッフや起業家が講師となり、仮説検証やヒアリングの仕方などのレクチャーを受けて実際に事業ターゲットからヒアリングを行うなどしてアイデアをブラッシュアップし、前半の締めくくりとして予選で選ばれた6人が同社オフィスで事業アイデアを発表。事業化が期待できると判断された3人に対し、アイデア検証のための費用として5万円がガイアックスより贈呈された。今後、検証に必要なエンジニアリングサポートも行なわれ、来年3月には出資するか否かを判断。同校初の中学生起業家の誕生が期待される。
選ばれた生徒からは「発表は得意ではないので家族の前で練習して臨んだ」「アイデアに不安があったがゼミの担当教諭から励まされ自信が持てた」「ヒアリングすることでヒントが得られ、起業に対するイメージが身近なものに変わった」「今後は競合サービスのユーザーなどにもヒアリングしていきたい」などの声が聞かれた。
ガイアックスの佐々木喜徳さんは「最初は戸惑いながら正解を聞いてくる生徒も多かったが、後半には自ら動くようになり成長を感じた」と話し、同校担当教諭の木之下瞬さんは「壁にぶつかってもリトライする力を身につけ始めたと思う。さらに高い壁を乗り越え、私たちの想像を超えていってほしい。コロナ禍を逆手に取り、オンラインを駆使して広がりのある活動にできたら」と話す。