調布インター近くの遠州屋材木店(調布市下石原1)が12月29日、恒例の巨大干支(えと)看板を設置、年越しをした力強い「丑(うし)」の絵が、現在、地元の新年を祝っている。
約30年にわたり、えと看板を飾り続けている同社。材木店には、正月を迎える際に、林場(りんば)と呼ばれる木材置き場を美しく見せるために、置いている角材を整える習わしがある。角材を使った飾り絵が業界で広まったことから、同社も林場を整頓するだけでなく、正月を祝うための飾り絵を始めたという。
年の瀬も押し迫った12月29日、社長の内山信一さんと従業員6人が、干支看板の設置作業を行った。店前の林場に、それぞれ「丑」の絵のパーツが描かれた角材の束を、バランスを見ながら並べてはめ込んでいく。2時間後、丑の絵ができ上がった。「一年の締めくくりに従業員と力を合わせ飾った後、商売繁盛・家内安全など、幸運が舞い込むように毎年祈念している」と内山さん。
コロナ禍の1年を振り返って、「コロナに負けるな」などの文字が入る看板も検討したと言う内山さん。「迷ったが、人それぞれ思いや状況に違いがあり、写真に残すとあまり思い出したくない人もいるのではと考えて、例年通りのえと看板にした」と話す。
林場の広い同社の干支看板は、見栄えがよいと評判。市内で干支看板を飾る材木店は同社のみで、見物客は年々増え、近隣住民だけでなく、遠方から足を運ぶ人もいる。十二支を目指して毎年写真を撮りに来る家族など、年末年始に人気の撮影スポットになっている。
30年続く、地元・新年の風物詩。内山さんは「コロナ禍を忘れたい人は忘れ、悪いことは思い浮かべず、皆が普通の生活に戻れるような良い年になってほしい。今年は明るい年にしたい」と話す。
看板は1月6日、8時30分~撤去予定。安全のため、撤去作業中は敷地内立ち入り禁止。