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府中市美術館「江戸絵画まつり 与謝蕪村」 国宝級のぎこちなさ味わう

「春の江戸絵画まつり 与謝蕪村『ぎこちない』を芸術にした画家」

「春の江戸絵画まつり 与謝蕪村『ぎこちない』を芸術にした画家」

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 府中市美術館(府中市浅間町1、TEL 03-5777-8600)で春に開催している「江戸絵画まつり」が3月13日、始まる。今回は与謝蕪村(よさ ぶそん)の作品を「ぎこちない芸術」の角度から鑑賞する。

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 蕪村は江戸時代中期の俳人で文人画(南画)家。重要文化財の「富嶽列松図(ふがくれっしょうず)」など見事な作品で知られるが、同展では線画や形のぎこちなさとそこから生まれる親しみやすさやかわいらしさに注目する。

 同館学芸員の金子信久さんは「下手だということではなく、蕪村自身がその面白さを自覚して意図的に表現しているとしか思えない。朴訥さと力強さの境に、あるいは、か細さと揺らめきの狭間にあるような、きわめてデリケートなぎこちなさや頼りなさが、初期から晩年まで、蕪村の絵の根幹にあるように見える」と評する。

 展示作品は、前期(4月11日まで)と後期(4月13日~5月9日)で一部作品を入れ替えて約100点。「春の海 終日(ひねもす)のたりのたりかな」や餅つきをするウサギが愛らしい「涼しさに」などの俳画、重要文化財の「鳶鴉図(とびからすず)」、幻の金屏風と呼ばれ国宝級といわれる「山水図屏風」など、さまざまな作品を通じて現代における蕪村の魅力に迫る。

 金子学芸員が作品について解説する展覧会講座「与謝蕪村『ぎこちない』を芸術にした画家」を4月3日、府中市生涯学習センター2階講堂(同美術館から徒歩5分)で開く(14時から90分程度、無料)。

 開館時間は10時~17時(入場は16時30分まで)。会期中の休館は、5月3日を除く月曜。観覧料(常設展を含む)は、一般=700円、高校生・大学生=350円、小学生・中学生=150円(府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」提示で無料)、未就学児および障害者手帳などを持った人は無料。観覧券を購入すると、2度目は半額になる割引券が付く(同展1回限り有効)。

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