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調布・仙川の居酒屋「汐〇」が10周年 記念企画中止もコロナ後に向け新たな取り組み

10周年を迎えた「魚酒場 汐〇(しおまる)」店主の小西淳さん

10周年を迎えた「魚酒場 汐〇(しおまる)」店主の小西淳さん

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 新鮮な魚と地元の野菜を中心とした居酒屋「魚酒場 汐〇(しおまる)」(調布市若葉町1、TEL 03-3307-9888)が5月14日、緊急事態宣言に伴い大幅な営業縮小を余儀なくされる中、10周年を迎えた。

10周年を迎えた「魚酒場 汐〇(しおまる)」で現在販売する弁当 「ローストポーク重」と「鶏天丼」 週替わりで用意

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 学生時代のアルバイトをきっかけに飲食業に興味を持ち、大手飲食店や個人店などで修業を重ねた小西淳さんが独立して創業した同店。独立を考え始めたころに東日本大震災が起き、全国的な自粛モードや計画停電など困難な状況の中、飲食店を開くことで東北の復興に役に立てたらと開業を決め、東北の蔵元から日本酒を仕入れ、東北出身の従業員を雇い入れて2011(平成23)年にオープンした。

 食材は創業以来、小西さん自ら市場に出向き自分の目で確認し「納得いくもの」を仕入れ、野菜は近隣の直売所や畑の無人販売などで旬の朝採れ野菜を調達し、その日限りの新鮮な旬の料理を多く取りそろえるという。創業当初は魚と野菜の料理を中心としていたが、現在は肉料理も用意し、家庭でも食卓に並ぶなじみのあるメニューにプロの技を加えた「安くておいしい」料理を提供。20種類程度用意する日本酒の価格も抑え、気軽に立ち寄れる居酒屋として、週に4~5日通う常連客も多いという。

 コロナ禍では早々にテークアウトや配達を始め、生産農家・市場の食材消費への貢献や従業員の賃金の確保などを考え、時短営業やランチ営業など、ウイルス感染対策を徹底しながら都の要請の範囲で営業を継続する。今年に入り、若い人にも日本酒のおいしさを知ってほしいと、10周年記念で「日本酒飲み放題」を企画したが現在は休止。「震災直後にオープンした時の困難と比べたら今はまだまし」と10年前を振り返り、営業を縮小している間に2階席のメンテナンスを行い、内食やお取り寄せが普及したコロナ禍後の居酒屋のあり方も検討している。

 小西さんは「今年は辞退したが、毎年の周年にたくさんの花が届いた時、店をやっていて良かったと思う。地域の皆さまに楽しく過ごしてもらって、『仙川で日本酒なら汐〇』と言ってもらえる店を続けられたら」と話す。

 現在の営業時間は、月曜~木曜=12時~13時、金曜~日曜=11時30分~15時。通常営業は17時~翌1時。

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