水彩画をテーマにした「視触手考画説(ししょくしゅこうがせつ)『水彩考』」が7月3日、東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で始まる。
白井美穂さんの作品「Water Head」2021年(35×30センチ)
同展は、画家の菊池敏直さん(阿佐ヶ谷美術専門学校元校長)が企画し、朝日新聞文化財団の助成を受けて、プラザ財団が主催する。参加する作家は、赤塚祐二さん・池田雅文さん・石川順惠さん・上田豊一郎さん・菊池敏直さん・近藤昌美さん・白井美穂さん・中村一美さん・藤村克裕さん・松浦寿夫さん。
同展について、菊地さんは「美術に限らず表現媒体に何を選ぶかは、作家にとって目指す表現の核心を代理する重要なものです。そこで、私達がスケッチなどで多用する水彩絵具を入口にして『水彩と表現』の今を探る試みです。水彩の特徴を絵具の物質感が際立つことが少ない着彩面の平面性と仮定し、『画は平滑な表面の出来事』という命題を設定してみます。伝統的、或いは革新的イリュージョンか、それとも別の世界か、作家の視線に注目です」とコメントしている。さらに「明治にあった『水彩画ブーム』は、人々の風景と日常への意識を革新するものでした。それまでの風景、所謂『名所絵』という観念的イメージの作画から、現在の私達と同じ、人々が生活するリアリティを描くことへの転換だと考えられるからです」(以上、原文ママ)とも。
同館では来館に際しマスクの着用をお願いし、体調が優れない場合や発熱がある場合は来館を控えるよう呼び掛けている。
開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。休館は月曜~水曜と8月12日~15日。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小中学生=300円。9月26日まで。