都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)は現在、植物会館展示室で「神代植物公園開園60周年記念特別企画展『神代植物公園-過去から現在、そして未来-』」を開催している。
同園はもともと東京の街路樹などを育てる苗圃(びょうほ)だったが、戦後に「神代緑地」として公開された。1961(昭和36)年10月20日に名称を神代植物公園に改め都内唯一の植物公園として開園し、今年で60周年を迎える。
現在は489,731.10平方メートルの広い敷地に、約4,800種類、10万本・株の樹木が植えられている。園内は「ばら園」「つつじ園」「うめ園」「はぎ園」など種類ごとに30のブロックに分けられ、四季折々の景色を眺めながら植物の知識を得ることができる。
日本の伝統的な園芸植物の品種保存にも務め、特に「神代植物公園サクラソウ品種コレクション」は日本植物園協会ナショナルコレクション(第2号)に認定されている。小笠原諸島での自生が危機的状況のオガサワラグワ(絶滅危惧IA類)を分散保存するための「オガサワラグワの里親第1号」にもなっている。
同展では、開園当初の貴重な写真を展示しながら、現在に至るまでの変遷や園内の見どころなどを紹介する。広報普及係長の飯村さんは「人間で言えば還暦を迎えたわけで、60年間の歴史を紹介しつつ、これまで当園を訪れたお客さまやさまざまな企画展に協力してくれた方々に感謝を表したい」と話す。「これからも多くの人に愛される魅力的な植物公園であるよう努力し、多様な植物の保存や研究に役立つ役割も果たしていきたい」とも。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。入園には整理券予約が必要。開園60周年記念特別企画展は8月29日まで。