100人の棚主が運営する共同参加型書店「センイチブックス」(調布市仙川町1)が3月12日、仙川駅近くにオープンした。
「センイチブックス」主宰者の皆さん 左から鯉沼由佳さん、間瀬祥衣さん、水越緑さん、深谷美南子さん
地域のための学習と交流の場として講座やセミナーなどの企画や運営を行う「万朶(ばんだ)プランニング」(仙川町1)が主宰する共同参加型書店の同店。同団体代表の水越緑さんを筆頭に、さまざまな分野で活動する4人それぞれが「一人一人に寄り添う」ことをコンセプトに活動する中で、自分の「好き」を満たし個性を表現・発信することこそ人々を元気にするとの考えが一致し、本を通して自分を表現・発信する基地として共同参加型の同店をオープンした。
店内には100個の棚、100個の書店、100人の個性を表現し発信する場を用意。棚主は好きな本を棚に並べて販売し、希望する日に店番をしながら読書会やイベントなどを開催することも可能。SNSではなく実店舗にすることで、「(来店した人が)それまで興味のなかったテーマや個性などに触れて知的好奇心を刺激し、それぞれの個性を認め合い融合する、多様性を尊重する社会への貢献を目指す」という。
現在、第1期として募集した25人の棚主の書店で運営。ペットとの暮らしの様子をSNSで発信しネットワークを広げている、茨城県の棚主の書店「サンポミチ くー」は、ペットロスの人々の助けになる活動を予定。オンラインなどで英語絵本の読み聞かせ講座を開催している長野県在住のバイリンガル絵本インストラクターの書店「森の えほんべや BOOKWORM」は、リアルにつながる場として店番の機会を活用し、読み聞かせイベントを企画。羊毛を紡ぐ世田谷区在住のクラフト作家の書店「ボウシェイバー」は、珍しい羊の表情を捉えた写真の自作本を並べるなど、コンセプトが大きく異なる本棚が隣り合う個性豊かな書店ができ上がった。
1つの棚は32センチメートル角で、賃料は月額3,300円。子どもが選んだ本を販売する「こども本棚」は月額500円で運営し、今後も段階的に棚主を募集する。
主宰者の一人で英語でも受講できる書道教室を運営する鯉沼由佳さんは「この場所を起点に新たな関わりが生まれ、『好き』でつながるコミュニティーも生まれたら」と、コーチングを専門に行う深谷美南子さんは「どのような個性に出会えるかワクワクする」と、それぞれ話す。
営業時間は12時~18時。火曜定休(その他にも臨時休業あり)。