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狛江初のクラフトビール醸造所が5周年 「木おけ仕込みのビール」普及目指す

「籠屋ブルワリー」で木おけを使って醸造するビール

「籠屋ブルワリー」で木おけを使って醸造するビール

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 老舗酒販店が手がける狛江初のクラフトビール醸造所「籠屋ブルワリー」(狛江市駒井町3、TEL 03-3480-8931)が12月1日で5周年を迎えた。

「籠屋ブルワリー」醸造責任者の江上裕士さん 後方右手がブルワリー、左手がレストラン「籠屋たすく」

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 1902(明治35)年に創業し、今年で120年を迎えた酒販店「籠屋秋元商店」が、地域の人々にもっと酒を楽しんでほしいと2017(平成29)年、新たにクラフトビール醸造を始めるために併設した「籠屋ブルワリー」。全国各地の地酒を数多く扱い酒蔵との強いパイプを持つ酒販店ならではのクラフトビールを目指している。大学で醸造科学を専攻後、大手ビールメーカーで10年ほど研究開発を担い、より幅広いビールを造りたいと考えていた江上裕士さんを醸造責任者として迎え、クラフトビール製造を始めた。

 クラフトビールのコンセプトは「和食に合わせる日本のビール」。繊細な和食に合うビールを目指し、発酵の過程で使う酵母は約30種類を用意してブルワリーの一角に設けたラボで培養する。5年間で開発したビールは100種類を超え、同じ商品でも少しずつ改良を重ねて「ようやく安定した商品を提供できるようになってきた」と江上さんは言う。

 商品は醸造所に併設したレストラン「籠屋たすく」で提供するほか、籠屋秋元商店、昨年12月にオープンした下高井戸店、今年2月にオープンした仙川店で販売する。醸造所は設立当初は主に商品開発拠点と考えていたが、好評を得、コロナ禍もあって需要が増え売り切れが続出。昨年タンクを増設し、フル稼働製造の日々が続いている。

 発酵タンクには一般的なステンレスに加え、新たな試みとして日本酒やしょうゆ造りなどで使われる木おけを取り入れた。専門の職人が製造した吉野杉の木おけを使い、日本酒造りの技術を応用して「木おけ仕込みのビール造り」に挑戦。「杉の木に酵母がすみ着いて、より深みと風味のある納得できるビールに仕上がった」(江上さん)という新商品「和轍(わだち)」が生まれ5年がたった。

 江上さんは「工場の立ち上げなども初めての経験で、納得いくビールを作るのには時間がかかったが、おいしいと言ってもらえた時はうれしかった」と5年間を振り返り、「目指すのは日本の風土と伝統技術による、ここでしか生まれないビール。木おけ仕込みのビールをより広められたら」と未来を向く。

 籠屋秋元商店の営業時間は10時~20時(日曜は19時まで)。月曜定休。12月4日まで、籠屋たすくで5周年記念フェアを行っている。

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