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躍動する調布の車いすダンサー 歌手MISIAさんの全国アリーナツアーに参加

ライブ前のステージで逆立ちパフォーマンスを披露する車いすダンサーのかんばらけんたさん

ライブ前のステージで逆立ちパフォーマンスを披露する車いすダンサーのかんばらけんたさん

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 調布在住の車いすダンサー・かんばらけんたさんが現在、歌手・MISIA(ミーシャ)さんの全国ツアーに帯同し、パフォーマンスを通じてライブを盛り上げている。

仙台公演の前説で観客に手を振るかんばらけんたさん、アリーナ中から歓声が上がった

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 「先天性二分脊椎症」による下半身まひの障がいがあるかんばらさん。システムエンジニアとして働きながら車いすダンサーとしても活動し、舞台やテレビCMなどに出演する。車いすの上で逆立ちするなど、しなやかでアクロバティックなダンスが持ち味で、東京2020パラリンピック開会式やNHK紅白歌合戦の「マツケンサンバII」でもダンスを披露してきた。

 かんばらさんは、MISIAさんのデビュー25周年記念・全国9都市アリーナツアーに昨年12月から出演。平日は東京でエンジニアとして働き、週末は大阪や広島、福岡など地方公演へ。忙しい日々だが、パフォーマンスで沸き起こる大きな歓声がモチベーションの一つになっていると言う。

 2月12日の仙台公演では、ライブ直前の前説も担当。マイクを持ったかんばらさんが「昨日のライブ後にステージ裏でMISIAさんが『悲しい災害があった東北で、楽しいライブになってうれしい』とおっしゃっていました。自分も阪神・淡路大震災で被災して家に住めない経験をしましたが、パフォーマーもMISIAさんと同じ思いで盛り上げるので、皆さんも全力で楽しんでください」と伝えると、アリーナ中に大きな歓声が上がったという。

「MISIAさんのステージで踊るのは、初めのうちはとても緊張した。でも、メンバーとの一体感や観客の温かい拍手・歓声のおかげで、今はステージを心から楽しめるようになった。ジェンダー平等や社会的マイノリティー、ウクライナ支援など、楽しいライブの根っこにあるMISIAさんの思いを伝えるためにも、ステージを支える一人として残りの公演を頑張りたい」と意気込む。

 東京2020パラリンピック閉会後は関連イベントがなくなったため、ダンスを披露する機会が減った一方、多様性を尊重する社会への変化を受けて、CMなど広告の仕事は増えた。私生活では2児の父として家事や子育てもする。「子育ては大変だが、大変さの9割は皆さんと同じだと思う。先月は娘の幼稚園でダンスを披露した。仕事とダンス、家事・育児のバランスをとりながら暮らすことが僕にとっては大切」とも。

 今後の目標について、かんばらさんは「表現の幅を広げて、より美しく、そこにいるだけで絵になるようなダンサーになりたい。新しいジャンルのダンスにも挑戦したい。そして、これからも僕のダンスを見たことのない人の前で踊っていきたい」と話す。

 MISIAさんのデビュー25周年記念・全国アリーナツアーは、追加となった東京(有明アリーナ)が最終公演。開催は3月31日~4月2日の3日間。

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