東日本大震災時の星空と被災者の思いを伝える2番組が3月11日・12日、府中市郷土の森博物館プラネタリウム(府中市南町6、TEL 042-368-7921)で無料投影される。
11日に投影される「星空とともに」(45分間)は、被災者が見た震災時の星空にまつわるエピソードを仙台市天文台がまとめた番組。震災翌年の3月に公開されると大きな反響を呼び、2014(平成26)年から全国各地のプラネタリウム施設でも投影されるようになった。
12日の「星よりも、遠くへ」(50分間)は、時が過ぎ被災地の状況や被災者の気持ちが変化する中、前作では伝えきれなかった思いや被災者のつながりを描いた作品。クラウドファンディングで制作資金を集め、2018(平成30)年に完成したドキュメンタリー。
同館スタッフの村井さんは「『星よりも、遠くへ』の中で『地震も人間も自然の一部』という言葉が出てくる。自然現象である地震を避けることはできないので、災害にしないためには人間が変わるしかない。大震災を繰り返さないために、この番組で当時の気持ちを思い出し、身の回りの地震対策を見直すきっかけにしてほしい」と話す。
同館は「『あの日』の美しい星空と被災者の思いを伝え続けなければならない」と考え、2017(平成29)年から「震災特別番組」を投影し続けてきた。村井さんは「東日本大震災から12年たち、その年に生まれた子どもは小学6年生。大震災が起きたことは知っているが震災時の記憶はないという子どもが見ても、きっと心に響くものがあると思う。当時、被災した人々がどのような思いで過ごしたのか知る機会になれば」とも。
投影開始は両日とも15時30分。観覧は無料だが、博物館入館料が必要(一般=300円、中学生以下=150円)。4歳未満と「学びのパスポート」利用者は入館も無料。整理券は当日9時から、ミュージアムショップで配布。