あぶり絵アートのイベント「冬ごもりが明ける 水川千春のあぶり鉱物展」が3月1日から、調布市仙川駅近くのアートギャラリー「ツォモリリ文庫」(調布市仙川町1、TEL 03-6338-1469)で開催される。
「冬ごもりが明ける 水川千春のあぶり鉱物展」主催の水川千春さん ツォモリリ文庫にて
幼い頃の身近な遊びだったというあぶり絵に魅了され、火と水で描くあぶり絵アーティストとして全国各地で作品を発表している水川千春さん。一見、何も描いていないように見える水に含まれる微粒子が火であぶるうちに焦げ色になる手法を使い、独自の画法を編み出して同アートを手がける。2006(平成18)年から約8年間、日本各地を移動して滞在生活を送り、その土地の水や温泉など生活の中の素材を使って、植物、自然、市場、街並みなど、その時々に身近だったものをモチーフにした作品を描いてきた。
2011(平成23)年からは、インドの学校の壁をキャンバスに壁画を描くNPO法人ウォールアートプロジェクト主催の芸術祭「ウォールアートフェスティバル」にボランティアとして携わり、国内外の活動にも参加。プロジェクトの拠点として2018(平成30)年にオープンしたツォモリリ文庫にも度々訪れ、今回、同ギャラリーでは初めてとなる個展で新たな作品を発表する。
今回のテーマは鉱物。現在山梨県にアトリエを構え、山々を身近に感じて大地に眠る鉱物をモチーフにしたいと感じるようになり、地中のエネルギーが蓄えられ結晶となった鉱物が外に解き放たれる様子を表現。その様子は長い冬が明ける今の時期を象徴していると感じ、「冬ごもりが明ける」と題して、小さな作品から壁面を覆う大きな作品まで約30点を展示。山梨の豊かな自然も表現する。
会期中の3月9日には、海水で描き、火であぶり出す様子を披露するライブパフォーマンスも予定。音楽を用いて自己治癒力を高めるというシュタイナー音楽療法でも使われる楽器・ライアーの演奏とともに、「大地に眠る生命の解放を表現する」という。
水川さんは「作品を見た方々が、自分の中に蓄えられた沸々としたエネルギーや冬が明けることを感じて、自分も解放してみようかな、芽を出してみようかななど、何かを感じてもらえたら」と話す。
開催時間は12時~18時。火曜~木曜定休。3月25日まで。ライブパフォーマンスは予約制(キャンセル待ち)。