開創約1300年、関東を代表する古刹（こさつ）調布・深大寺（調布市深大寺元町5）で3月3日と4日、同寺最大の行事である「厄除元三大師（がんざんだいし）大祭 だるま市」が開かれる。

「阿（あ）」梵字（ぼんじ）を目入れする僧侶

　江戸時代の文献に「参詣者が近郊近在より群参す」と記されるほど、同大祭は歴史と伝統のある行事。例年、大勢の人が境内を埋め尽くし、元三大師堂では諸願成就の大護摩供が終日執り行われる。両日とも14時からは、きらびやかな袈裟（けさ）をまとった高僧が、雅楽衆を先頭に列を成し境内を練り歩く「お練り行列」や、大師様の宝前に供物を供える「百味供養」が行われる。

　併せて、大師様の威力にあやかる縁起だるま市が開かれ、境内や周辺には大小300以上のだるま店を中心とした露店が並ぶ。東京に春を呼ぶだるま市として江戸時代から続く同市は「日本三大だるま市」の一つで、全国的に知名度が高く、身動きが取れないほど多くの参拝客でにぎわう。

　境内には「だるま開眼所」を設け、購入しただるまに僧侶が直々に目入れを行う。新しいだるまの左目に、インドの古い文字、梵字（ぼんじ）の「阿（あ）」を書き入れるという独特の目入れで、「阿」はサンスクリット語で物事の始まりを意味する。心願かなっただるまの右目に、物事の終わりを意味する「吽（うん）」の字を入れ、感謝の意を込め納めるというもの。

　開催時間は9時～17時。護摩祈願は10時～16時の1時間ごとに実施。両日とも14時は、護摩祈願の申し込みは受け付けるが、一般参拝者の元三大師堂への入堂は不可。「だるま市」限定の朱印も両日授与する（紙の朱印を500円で頒布）。

　両日10時～16時、深大寺通りは車道一方通行となり、武蔵境通り（深大寺の西側）から三鷹通り（同東側）方面のみ進入できる。