調布の白百合女子大学図書館2階展示スペース(調布市調布ヶ丘1)で現在、貴重書展示企画「~明治の欧文絵本~『ちりめん本』」が開催されている。
長谷川武次郎が独自の技術でちりめん状にした和紙を使い製作した「ちりめん本」
「ちりめん(縮緬)」は、絹織物の一種で布面に細かい「しじら縮み」があるものを指し、16世紀末の天正年間に堺の織工が中国から製法を習い織り始めたといわれている。和紙を加工してちりめん状にする技術は、江戸時代後期から浮世絵のちりめん絵として作成された。明治に入り、長谷川武次郎が独自の技術でちりめん状にした和紙を使い、「ちりめん本」を製作した。
長谷川武次郎のちりめん本は、日本の伝説や童話を扱った外国語訳絵本として出版されたほか、日本の文化や風俗をテーマにしたものやカレンダーとしても出版され、珍しい日本土産として外国人に好まれたという。多くは英語版だが、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語、オランダ語などの言語版がある。1885(明治18)年に初めて出版されてから1880年代末にかけて主要な出版が行われたという。
同展のちりめん本は、同館が所蔵する100点を超える貴重書の一部で、版木、未製本の平紙なども展示する。同館ではちりめん本の一部をデジタル化し、ホームページでも画像を公開している。
開催時間は、平日=9時~17時、土曜日=11時~17時。7月18日は平日扱い。観覧無料。観覧希望者は同館まで、メールで要事前申し込み。7月30日まで。