今年、多摩川に遡上(そじょう)したアユは推定65万尾だった。東京都が5月29日に発表した。
都は、1983(昭和58)年から多摩川下流部でアユの遡上調査を行っている。設置した定置網に入ったアユの数から遡上数を推定。今年は3月9日から5月25日まで設置し、調査開始以降、3月下旬からアユが入網し始めた。累計入網数から推定した今年の遡上数は約65万尾で、昨年の130万尾より半減した。
過去のデータを見ると、遡上数は年ごとにバラつきがある。調査を行う東京都島しょ農林水産総合センターは「今年のアユの遡上数は前年より減少した。影響があるとされる昨年秋の産卵期の降水量は、過去5年の平均を下回った。気候変動に伴う降水量や水温の変化なども注視しつつ、今後も調査を進めたい」としている。
多摩川の「二ヶ領上河原堰(にかりょうかみがわらぜき)」(調布市染地2)付近流域では、アユを狙うサギやカワウの姿が見られた。多摩川のアユは、かつては江戸の将軍家に献上された天然アユ。貴重な水産資源として、昔から庶民に親しまれてきた。川漁師によると、調布付近では漁師が歩きながらウを操る「徒鵜飼い(かちうかい)」も行われていたという。
6月1日、多摩川のアユ釣りが解禁された。「二ヶ領上河原堰」から「多摩川五本松」辺りまでの中流域は魚影が濃く当たりの良い人気の釣りポイントで、釣り人らの期待も高まる。