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府中市美術館で「へそまがり」な展覧会 禅画からヘタウマまで全138点

徳川家光の『兎図』(部分)。サングラスのような目、切り株の上にちょこんとたたず
む姿など、まったく技巧にとらわれない絵がほほ笑ましい

徳川家光の『兎図』(部分)。サングラスのような目、切り株の上にちょこんとたたず む姿など、まったく技巧にとらわれない絵がほほ笑ましい

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 中世の水墨画から現代のヘタウマ漫画まで日本人の「へそまがり」な感性が生んだ絵画を紹介する展覧会「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」が3月16日、府中市美術館(府中市浅間町1、TEL 03-5777-8600)で始まった。

江戸時代の禅僧(白隠慧鶴)が描いた、愉快すぎる布袋さま「すたすた坊主図」

 同館では毎年この時期、「春の江戸絵画まつり」と題してさまざまな角度から日本画を紹介する企画展を行っている。今年は「不格好なものや不完全なものに心引かれる」という日本人の「へそまがりな感性」に注目して日本の美術史を捉え直す、初の試み。

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 展示は、前期(4月14日まで)と後期(4月16日~5月12日)で、一部作品を入れ替えて全138点を紹介。見どころは、ユーモラスな布袋を描いた白隠慧鶴(はくいん えかく)の「すたすた坊主図」や、美術鑑賞では用いない言葉で形容したくなるインパクトある岸駒(がんく)の「寒山拾得(かんざんじっとく)」(敦賀市立博物館蔵)など、均整美や荘厳さとは異なる「ゆるさ」を感じる作品群。

 新発見の作品も多く展示され、長いおでこの余白も特徴の伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)の「福禄寿図」や、海北友雪(かいほう ゆうせつ)の大作でとぼけたような竜が目を引く京都・麟祥院(りんしょういん)の「雲龍図」は、今回が東京で見られる貴重な機会になる。「上様の絵画」では、徳川家光が描いた「兎図」などほほ笑ましい作品も。

 同館学芸員の金子信久さんが作品について解説する展覧会講座「へそまがり日本美術-『ゆるさ』から『苦さ』まで」を3月30日、講座室で開く(14時から90分程度、無料)。毎週日曜には「20分スライドレクチャー」を行う(14時、無料)。期間中、展覧会を見ながら「探検隊ワークシート」のクイズに挑戦する「へそまがり探検隊!」も開催。

 金子さんは「『きれい』でも『立派』でもない、けれど輝かしくて、悩ましくも素晴らしい作品の数々からは、ありきたりの美術史観とは異なる、日本美術の新たな味わい方や楽しみ方が見えてくるはず」と話す。

 開館時間は10時~17時(入場は16時30分まで)。月曜・5月7日休館(4月29日、5月6日は開館)。観覧料(常設展を含む)は、一般700円、高校生・大学生350円、小学生・中学生150円(府中市内の小中学生は「府中っ子学びのパスポート」提示で無料)、未就学児および障害者手帳などを持った人は無料。観覧券を購入すると、2度目は半額になる割引券が付く(同展1回限り有効)。

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