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調布の人気ラーメン店「たけにぼ」が創立記念祭-先代1周忌の哀悼で

「たけちゃんにぼしらーめん」の定番「醤油(しょうゆ)らーめん」

「たけちゃんにぼしらーめん」の定番「醤油(しょうゆ)らーめん」

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 調布駅近くの人気ラーメン店「たけちゃんにぼしらーめん」(調布市布田1、TEL 042-441-2740)が5月10日、「創立記念祭」を開催する。

店名に付けられた「たけちゃん」本人である坂本武人さん(左)と店長の山浦仁士さん(右)

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 同店が開店当初に近隣住民に配った「500円券」を基に、創業者で先代の坂本鐐一さんの一周忌の哀悼と常連客への感謝を込めて企画する同イベント。通常790円で提供する「醤油(しょうゆ)らーめん」と「塩らーめん」を500円で提供する。

 昨今のラーメンブームの火付け役の一店で、今では有名店となった同店の創業ストーリーは坂本さんがミュージシャンとして活動していたころにまでさかのぼる。貸した金を取り戻せなかった友人のため、見ず知らずの他人の借金を肩代わりすることになった坂本さんは、その場にあったワゴン屋台を使い1990年にラーメン店を開店。鶏ガラの中華スープが主流だった時代に、煮干しと豚骨のダブルスープという新しいラーメンを生み出したことから人気を集め、1996年には深大寺に店を構え、2006年に現在の場所に移転した。第1次ラーメンブームの流れに乗るだけではなく、評論家などを痛烈に批判するなど独特なキャラクターが話題となり、炎上するブログなどとも格闘。選び抜いた素材をその日の天候を考慮し、レシピ無しに配合をシビアにチェックしながら「安全な食でお客さまを守る」をモットーにラーメンを作り続けていたが、昨年5月12日に肝臓がんのため他界した。

 現在は、坂本さんが全てを教え込んだ弟子の山浦仁士さんを熊本県から呼び戻し、坂本さんの味を再現。「先代は自分の作るラーメンを毎朝食べて味や安全性を確かめ、お客さまを大切にしていた。食べ終わった後の良い余韻が残る先代の味を守り続けたい」と山浦さん。店名に付けられた「たけちゃん」本人である長男でミュージシャンの坂本武人さんは現在、企画・営業を務めている。

 武人さんは「父は味に関してのセンスは抜群だったが、弟子には厳しく、意志の強さには誰もかなわなかった。100人が食べたら100人が『おいしい』と言わないと納得がいかない人だったが、亡くなってから、厳しさの中に愛があったことを知った。今後は2代目という概念を捨て、尊敬し合える仲間と一緒に、父が作り上げたこの場所で父の味を提供していきたい」と話す。

 営業時間は11時30分~23時30分(日曜は22時30分まで)。売り切れ次第終了。当日は2種のラーメンのみ販売。

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