電気通信大学(調布市調布ヶ丘1)の学生サークル「ロボメカ工房」が、6月10日に渋谷区内で開かれる「NHK大学ロボコン2012」への出場に向けて最後の調整に追われている。同大会で優勝したチームは、香港で開催される「ABUロボコン」に日本代表として参加する。
大道芸ロボット競技コンピュータ制御部門で準優勝したロボット「Rust of Katana Kai」とチームメンバー。
同工房は1年生からロボット作りの実践を学べるよう1995(昭和30)年に開設されたサークルで、100人以上の学生とOBらが活動。「ロボメカ工房に入りたくて入学した」という学生もいるほど注目度が高く、製作室や機械設備など大学からのバックアップ体制も充実している。
同大会に出場するのは「NHKロボコン部隊」。同工房は製作ロボットの種類によって12部隊に分かれ、学生主体で活動し各種大会に出場し好成績を残している。3月に行われた「第15回ロボットグランプリ」では、優勝や各賞を受賞するなど好成績を収めた。
同グランプリのロボットランサー競技(槍騎兵自律型ロボットの走行スピードと、的を突く正確な動作を競うもの)には14人が参加。78機が出場したスタンダードクラスで寺崎清さんのロボットが準優勝するなど3人が入賞、上級者11機が出場したマイスタークラスで平井雅尊さんのロボット「TRINITY try」が最高スコアを獲得し優勝した。デザイン賞の二瓶陽介さんは「アルマイト処理で赤くカラーリングした見た目だけでなく、必要な機能がコンパクトに収まるよう立体型な設計を工夫した」と話し、技術賞の市野塚朝さんは「やりを振る構造を3次元にして小回りで得点できるのが特徴」と話す。
大道芸部隊が製作した「Rust of Katana Kai」は、大道芸ロボット競技コンピューター制御部門で準優勝に輝いた。同部門は時間内に観客を楽しませるパフォーマンスを競うもので、山下貴裕さんらメンバー5人は喜びながらも、「少しだけ不調の箇所があったので来年は100%の動きを発揮して優勝を狙いたい」と意気込みを見せた。
同工房は学園祭で「小中学生のロボットコンテスト」を主催し、地域貢献や子どもたちへのロボット普及も行っている。