調布・電通大、「ロボコン」で世界狙う-5月の「ロボカップ」では優勝も

ロボカップジャパンオープン2011大阪でダブル授賞したチームkara@geとロボット

ロボカップジャパンオープン2011大阪でダブル授賞したチームkara@geとロボット

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 電気通信大学(調布市調布ヶ丘1)のロボット制作チーム「ARK」が6月12日、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区代々木)で開催される「NHK 大学ロボコン2011」に出場する。

ロボカップジャパンオープン2011大阪の表彰式(関連画像)

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 同大会は、与えられた競技課題に対して大学生がアイデアを駆使してロボットを製作し、競技を通して技術力と独創力を競い合うもの。全国から応募した50大学59チームのうち、3度の事前審査を通過した21校が出場権を獲得。中でも特に完成度が高いと判断された、同チームを含む7チームがシード校に指定された。

 今年の競技課題は「ロイ・クラトンの火をともせ!」。ロボットで指定のパーツを組み立て、灯籠(クラトン)を完成させ、川面と呼ぶエリアに浮かべる。灯籠の中央にある、ろうそく部分に炎を模したオブジェをかぶせることができれば「ロイ・クラトン」達成となり勝利する。競技時間3分で、赤チームと青チームの対戦方式で争う。同大会の優勝チームは、8月にタイのバンコクで開催される「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト2011バンコク大会」に日本代表として出場する。

 同チームは、ルールに則した手動ロボット1台と自動ロボット2台が協調連携して動作するもので、それぞれの作業内容に最適化したロボットアームと移動能力を持っている。ロボコン部隊長で学部4年の佐藤正隆さんによると「最初の課題を手動ロボットだけで達成しなくてはいけないので、そのスピードを速くすることに力を入れた。自動ロボットは不安定な作業を確実に行う機構や手順、プログラムを組むことに工夫した」という。

 チームメンバーは「課題を速く確実に達成するために試行錯誤して何台も試作した。そのための資金は活動補助金に加え、自分たちでも調達した。講義とロボコン活動の両立が図れるように製作時間をやりくりしたり、競技フィールドに合わせてロボット操作の練習ができるように広い場所を確保したり、受講に支障が出ないように早朝から深夜までスケジュールを組んだりした」と苦労を振り返る。

 担当教員の知能機械工学専攻・金森哉吏准教授は「学生たちがアイデアを出し合い、戦略を練り、ロボットの改良を重ねた。操作練習も繰り返し行い、この努力は必ず良い結果を生むと信じている。出場する選手とピットクルー、設計製作に携わった多くのメンバーと一緒に優勝を目指す」と抱負を語る。

 さらに、同校の知能機械工学専攻長井研究室と情報通信研究機構(NICT)の合同チーム「kara@ge++」は、5月3日~5日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催された「ロボカップジャパンオープン2011大阪」で優勝し、全参加チームの中から優れたシステムに与えられる「人工知能学会賞」、ロボカップに関連した優れた研究成果に与えられる「ロボカップ研究賞」もダブル受賞した。

 同チームは家庭用ロボットの技術を競う「@ホームリーグ部門」に出場し、リビングルームやキッチンの物探しなどさまざまな種目で性能を競った。チームメンバーは「初日は満足な結果が出せなかったが、材質認識などの高度な研究成果を競技に取り入れたことや、さまざまな状況を考慮した練習を何度も重ねたことで、最終的に優勝を勝ち取ることができた。ダブル受賞も果たせたのはチームを指導してくれた長井先生のおかげ」と感謝する。

 同大会に出場した知能機械工学専攻田中研究室と京都大学工学研究科松野研究室の合同チーム「SHINOBI(しのび)」は、レスキュー実機リーグ部門で自律探査性能が高いロボットに与えられる「Best in class Autonomy賞」を受賞した。京都大学の松野文俊教授は2009年3月まで電気通信大学でチームSHINOBIを指導していた。

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