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「調布カレンダー」、地元を50年描き続けた挿絵が見納めに

中川さんと調布カレンダー。挿画は市立杉森小学校の淡水彩画。

中川さんと調布カレンダー。挿画は市立杉森小学校の淡水彩画。

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 読書会や、俳句・短歌など56のサークルで構成される生涯学習団体「アカデミー愛とぴあ」(調布市小島町2、TEL 042-441-6328)が毎年発行しているカレンダー「調布カレンダー」に2005年版より挿絵を提供している画家・中川平一さんの作品が、2013年版を最後に見納めになる。

中川平一さんの作品 「踏切付近(萬来軒 1970年)」

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 同カレンダーは1988(昭和63)年から発行し、2005年から中川さんの作品を掲載。失われつつある調布の民家や木立などを約50年間描き続けている中川さんの作品は、淡い水彩画や細かい線画が特徴で、今は無き風景などに懐かしさを感じると市民から好評を得ていた。今回、「一つの区切り」として作品掲載が終了となる。

 中川さんは1939(昭和14)年新宿生まれ。学芸大美術科を卒業。終戦の年1945(昭和20)年から調布市に在住し、図画工作専科・美術教諭として同市内の学校を転勤しながら勤め、定年後からは同市立杉森小学校で少人数指導の数学講師を務めている。

 中川さんは、転勤するたびにその学校の周辺景色を題材に、休日だけでなく通勤前や帰宅後の時間を使って描いてきた。1枚の作品を作るのに時間がかかるため、その間に次に描く作品の場所を見つけるということをしているうちに、いつの間にか50年の月日がたっていたという。中川さんは「私はとても恵まれていると思う。描いても描いても描き切れないくらい題材にしたい景色が身近にあるのですから。また、個展を開くそのたびに訪れる人から『懐かしい』『あの場所の景色だ』などと喜んでもらえる。そんな時、画を通して地域とつながっていると感じる」と話す。

 来年5月19日から26日まで、調布市文化会館たづくり会館北ギャラリー(小島町2)で個展を開催。現在は、活動開始50周年記念に向け、大掛かりな個展の準備を考え、そのための作品作りに力を入れている。

 カレンダーの価格は1,000円。販売はアカデミー愛とぴあ事務局(文化会館たづくり10階)、市役所1階売店、真光書店、リブロ調布パルコ店、神代書店、新座書房など。

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