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調布・深大寺の土産店、新年の準備に大忙し-午年に馬のわら人形「赤駒」「土鈴」

午年に向けて、郷土民芸品「赤駒」の製造を進める「深大寺あめや」

午年に向けて、郷土民芸品「赤駒」の製造を進める「深大寺あめや」

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 調布にある深大寺の土産店では、来年の干支(えと)である「午(うま)」にちなんだ土産の準備が早くも進んでいる。

来年用の干支の土鈴は10ヶ月も前から製造を開始している

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 深大寺山門脇にある甘味処「あめや」では、わらで作った馬の人形「深大寺 赤駒(あかごま)」の製作に拍車がかかる。同人形は「万葉集」に掲載されている歌にちなんで製作された深大寺の郷土民芸品。「赤駒を、山野(やまの)にはがし、捕りかにて、多摩の横山、徒歩(かし)ゆか遣(や)らむ」と、戦に出陣する防人(さきもり)の夫の無事を祈って妻が詠んだ歌だ。

 「赤駒」は当時、豊富にあったわらで郷土芸術を、と1950年代初めに深大寺地域の農民の手で作られた。農家の主婦の副業にもなり、1990年ごろまでは多くの店で販売していたが、農地の宅地化が進むにつれ材料のわらが手に入りづらくなると、人形を作る人もいなくなり、世間からも忘れ去られた。もう一度復活させたいと思った同店店主の西村久枝さんが、近隣に住む90歳の老婦人から1997年に作り方を習い、現在では西村さんのみが製作、販売している。2010年に放送されたNHK連続テレビドラマ「ゲゲゲの女房」では、主人公が初デートで訪れた深大寺でプレゼントされ、その後も重要なシーンで数多く登場している。

 あめや店主の西村さんは「『行ってきまーす』と元気に出掛け、『ただいまー』と笑顔で帰ってくる。それを願って作っている。玄関に飾っていただければうれしい」と話す。

 参道に店を構える楽焼店「むさし野深大寺窯」では、馬をかたどった土鈴を2月ごろから製作。年末が近づくと製作のペースを上げ、現在は絵付けが終わり販売を待つ土鈴が所狭しと並ぶ。毎年、その年の干支の土鈴を製作しているが馬は人気が高く、6000~8000個は製作するという。

 赤駒は大2,500円、中1,500円、小1,200円。土鈴は大4,000円、中800円、小600円。「あめや」「むさし野深大寺窯」ともに営業時間は9時~17時。「赤駒」はオンライン販売も行っている。

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