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せんがわ劇場で映画「ひめゆり」上映-地元沖縄料理店主らが自主企画

調布・せんがわ劇場で上映されるインタビュー映画「ひめゆり」のポスター

調布・せんがわ劇場で上映されるインタビュー映画「ひめゆり」のポスター

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 第二次世界大戦の沖縄で従軍看護活動にあたった女性たちのインタビュー映画「ひめゆり」が11月27日から、せんがわ劇場(調布市仙川町1、TEL 03-3300-0611)で上映される。

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 同作品は柴田昌平監督が13年間かけて、ひめゆり学徒隊の体験者から丁寧に話を聞いてまとめた長編ドキュメンタリー。彼女たちの証言をダイレクトに届けるためナレーションは使わず最低限の説明を字幕表示し、22人の生存者が「亡くなった友のためにも伝え遺さなくては」と重い口で当時の記憶を語る。

 すでに80歳前後になっている証言者の中には映画の完成を待たずに亡くなった人や病気で体の不自由な人も。監督は「語られている内容は過去だが、語っている切実さは今にそのままつながっている。過酷な記憶を掘り起こし自らの言葉にするまで、彼女たちには数十年の月日が必要だった」とコメントを残している。

 作品が完成した2007年に文化庁映画賞大賞や日本ジャーナリスト会議JCJ特別賞、キネマ旬報ベスト・テン第1位など数々受賞したが、出演者の強い意向によりビデオ化やDVD化はされずテレビ放映もない。劇場に足を運んでじっくり見てほしいと、自主上映を中心に行われてきた。

 今回は「沖縄料理ダイニングバー みやらび」(西つつじヶ丘2)と「沖縄料理店 美ら風(ちゅらかじ)」(仙川町1)オーナーの竹原学さんとスタッフや常連客など有志が「仙川ひめゆり自主上映の会」を結成し、「調布市近隣や京王線沿いに住んでいる人たちに見てもらいたい」と企画した。

 沖縄出身の竹原さんは「3年前の沖縄慰霊の日(6月23日)に東京で初めて映画を見て衝撃を受けた。すぐに友人や知人にも見てほしいと呼びかけたが、慰霊の日以外には東京近辺でこの映画を見られる機会があまりなく、どうしようかと思っていたところ最近になって自分たちで上映できると知り自主上映会を決めた」と話す。「あまり話したくない辛い体験をしたおばあたちが、当時の現場で自分の状況を話してくれる。その顔を見て言葉を聞いていたら自分も何かしなくてはいけない、伝えなくては風化してしまうと思った。上映費用を工面して運営するのは正直大変だが、それも沖縄出身者の役目。1人でも多くの人に見てもらいたい」と呼びかける。

 上映時間は、11月27日=13時30~・17時~、28日=10時~・13時30分~・17時~。27日のみ上映後に大兼久久美プロデューサーがトークを予定。両日夜の上映後、1958(昭和33)年の首里高校野球部を舞台にした芝居も上演する。料金は、一般=前売り1,000円・当日1,200円、学生=前売り800円・当日1,000円。問い合わせは、仙川ひめゆり自主上映の会(TEL 03-3300-6211)、竹原さん(TEL 090-7461-7084)まで。

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