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非常にまれな天体ショー「皆既月食×天王星食」 国立天文台がライブ中継へ

2014年10月8日の皆既月食と天王星(右下) 撮影:佐藤幹哉

2014年10月8日の皆既月食と天王星(右下) 撮影:佐藤幹哉

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 国立天文台(三鷹市大沢2)が11月8日、「皆既月食」「天王星食」が同時に起きる、非常にまれな天体ショーをライブ中継する。日本全国で同日、月全体が地球の影に入る「皆既月食」が起き、さらに月食中、ほとんどの場所で天王星が月に隠れる「天王星食」も起こる。

東京での天王星食の開始時刻などの図説(国立天文台の画像より)

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 月は18時9分に欠け始め、19時16分に皆既食となる。皆既食は20時42分まで続き、21時49分に月食が終わる(全国で同時刻)。欠け始めの月の位置は東京で高さ18.3度(地域により異なる)、東の空やや低いところから次第に高くなる。月食は、全過程を肉眼で観察できる。次に日本全国で皆既月食が起こるのは、2025年9 月8 日。

 今回は、月食の最中に月が天王星を隠す「天王星食」が起こる(小笠原諸島を除く)。国立天文台によると、天王星以外の惑星を含めても「日本で皆既月食中に惑星の食」が起こるのは大変珍しい現象だという。前回は442年前の1580年7月26日の土星食で、次回は322年後の2344年7月26日の土星食。

 「日本で起こる皆既月食中の天王星食」に限定すると、計算に必要な各天体の運動条件が定まらないほど非常にまれな天文現象。ちなみに、日本に限らず「地球上で起こる皆既月食中の天王星食」は、前々回が1938年11月8日、前回が2014年10月8日、次回が2235年6月2日。

 天王星食の起こる時刻は地域によって異なる。東京の場合、皆既食中の20時41分に潜入し、部分食中の21時22分に出現する。天王星は約6等級と暗いため、肉眼よりも双眼鏡や望遠鏡の方が観察しやすい。天王星は小さいながら円盤状に見え、十数秒かけて徐々に隠れたり現れたりする。潜入時は、赤銅色になった月に薄青色の天王星が近づきゆっくり隠される。出現時は、部分食で欠けて見える暗いところから現れる。

 国立天文台は、三鷹からライブ中継(ユーチューブとニコニコ生放送)を行う予定(18時配信開始)。ハワイのすばる望遠鏡に設置した「星空ライブカメラ」(ユーチューブ朝日新聞宇宙部)などによる月食中の夜空と風景の配信も予定している。

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