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特集

インタビュー2015-02-05

『地域で 会社で、分け合うこと』
-有限会社管理人代行サービス 代表取締役 箕輪雅則さん

 調布市内を中心に賃貸住宅専門の清掃サービスを手掛ける有限会社管理人代行サービスは単なる「清掃」にとどまらず福祉作業所との連携など地域性を生かした事業を展開している。その他にも市内イベントをはじめ、地域活動に積極的に取り組む同社代表取締役・箕輪雅則さんに創業の経緯と地域で活動する思いについて伺った。

箕輪雅則さん

■「地域のため」は後から付いてきた

-2004年に地元調布市で管理人代行サービスを創業されたとのことですが、もともと地域のために何かしたいという思いを持たれていたのでしょうか。

 もともと「地域のために」と考えたことはあまりなく、自然とやっていることが地域につながっていったように思います。
 事業をはじめたきっかけは、工務店の仕事でかかわってきた不動産屋さんの言葉でした。

 そのころ、私は父の始めた実家の箕輪工務店で弟と大工仕事をしていました。1998年、大不況の最中で私たちの工務店も仕事が減り、とても厳しい状況でした。仕事をもらえるように慣れない営業に回り、家族を支えるために友人から紹介されて以前よりなじみのある撮影所の美術のアルバイトに出ることもありました。しかし精神的にも身体的にも無理が生じ、焦りばかりが募る中、仕事中に足場から落下、3カ月寝たきりの入院をする大けがをしてしまいました。退院後は以前と同じような重労働ができない状況でした。
 そんな時、仕事でなじみのあった不動産屋さんから、「ゴミ収集のルールが変わり、ゴミ集積所が汚れてしまって困っている…」と相談を頂きました。

管理人代行サービス1

 2004年4月より調布市では全国に先駆けて家庭ゴミ処分の有料化に踏み切りました。今ではなじみのあるゴミ収集の有料化ですが、ルール違反のゴミは収集しない市の方針もあり、理解が乏しい単身者が多く住む集合住宅のゴミ集積所には収集されずに放置されたゴミが残るようになってしまっていたのです。
 そんな困りごとに大きなけがからの復帰がまだできていなかった私でもできることはないかと考えたときに、集合住宅のゴミ集積所を中心に短時間で清掃する仕事を思いついたのです。これなら、体への負担も少なくて済みます。

 工務店の仕事の傍ら、休みの日に市内を巡り、調布市内にある賃貸住宅の実態を調査、試行錯誤の末、週2回の訪問で短時間の清掃を行う、という形になりました。
 ただ片付けるだけでなく、収集方法の周知や住民の方々へ直接ゴミの出し方を伝えるなど、清掃するだけでなく、良い環境を作れるよう働きかけました。ゴミ集積所がきれいになると仕事の時間が余ります。余った時間で通路や階段を掃除しました。そのうち建物だけで終わらずに、目の前の道路、共有スペースと掃除する範囲も広がっていきました。
「向こう三軒両隣。ご近所もきれいにしていけば、きれいな街になるんじゃないか。住んでいる人が掃除をしないアパートや賃貸マンションからそんなことが始まったらいいな」
そんなことを思うようになりました。
 「あそこに頼むと近所まできれいになる」と評判を頂くようになり、次第に身内だけでは手が回らなくなり、創業から1年後の2005年、法人化することになりました。アルバイトも従業員も増え、今では近隣の三鷹市や府中市、国分寺市等、調布市を中心に提供させていただいています。

 小さな困りごとに応えていく中で、この仕事は会社のためでなく、人のために動いているのだなと感じるようになりました。この気持ちが地域での活動につながってきたのかもしれません。
 一つ一つが積み重なって、何気なく自分がやっていることを振り返ってみたときに、ふとその意味に気付かされてきたように思います。

管理人代行サービス2

■きっかけはいつも「お困りごと」

-「ちょうふチャリティーウォーク」という市内イベントの立ち上げ・運営にも関わられていると伺いました。具体的にどのような活動をしているのですか。

 ちょうふチャリティーウォークは調布市内にある隠れた名所や市内の企業や事業所を巡ることで地域を再発見したり、市民の活動を通じて交流や地域の活性化を体験できたりするイベントです。
 集まった参加費は市民活動支援センターが主催する「えんがわファンド」に寄付され、市民活動の助成金として使われています。このファンドの特徴は、助成する内容が幅広く、調布市内で活動される団体のさまざまな活動に助成がされています。例えば過去には、どんぐりの苗木を育てて配る活動、ドッグセラピーを広める活動、市内の小中学生に自主製作映画を広めるなどさまざまな市民団体が行う活動の支援に使われています。
 ちょうふチャリティーウォークに参加された方から集まったお金が地域で活動されている団体に助成金の形で還元されていく仕組みは寄付文化が定着していない日本でもまだ新しい取り組みだと思っています。このイベントを通して「寄付文化の醸成」を地域に根付かせていくことも、ちょうふチャリティーウォークの目的の一つとしています。

ちょうふチャリティーウォーク1

-どのようなきっかけでこの活動を始められたのでしょうか。

 2008年市民活動支援センターがある「市民プラザあくろす」で行われたイベントの発足会議に、最初は参加する側として出席したことがきっかけでした。初年度の参加メンバーの顔ぶれは調布市内の企業にお勤めの方がほとんどで、地域イベントの運営経験者はゼロ。みんなどうやっていいのかと困っていました。これはまずいということで、イベント運営・設営など経験のあった私もお手伝いすることになりました。1回目は400人を超える参加があり、東日本大震災など休止もありましたが2014年には6回目を無事に終えることができました。
 2012、2013年には副実行委員長としてメーン会場のイベント企画を担当しました。
 私どもの会社からも景品の提供や補助などをさせていただいており、昨年はウェブ広告の出稿をお手伝いさせてもらいました。地域の企業としてイベントに協力できることは、これからも模索しながら関わっていきます。不思議と会社の業績とこういった活動の盛り上がりとは相乗効果があるように感じています。

チャリティーウォーク2

■みんなで分け合えばいい

-今、地域活動や事業活動で大切にされていることがありましたら教えてください。

 「社会に貢献する」という言葉は実はあまりなじめなくて、自分からやってあげようというよりは、困っている人がいたらその人に何ができるかを考えて行動して、結果的に喜んでいただいて、貢献になるのだと思っています。自分の困っていることは他にも困っている人がいる訳ですから、まずは自分から始まって、家族、近所、町内、市内と喜びの輪が広がっていくことが、社会にいい循環をつくる秘訣(ひけつ)だと思っています。
 会社の運営はお客さまからいただく仕事をみんなでどう分配するかが大事だと考えます。地域の活動も個々が持つ知恵や経験をみんなで分け合い、難しい事も一人で抱えず、みんなで分け合えばいいのではないでしょうか。

自習室てなーす

 箕輪さんが運営する自習室「てなーす」では、学生から社会人まで集中して自主的に学べる環境を整えている。
地域に根ざした、集中して自分の学びを深める場所があればと2年前に事務所と併設する形でオープンした。

質問ノート

 利用者の学生発案ではじまった質問ノート。利用者の学生同士で分からない問題を教え合ったり、励まし合ったり、自然と交流が生まれる。

会社外観

【ちょうふチャリティウォーク】
ちょうふチャリティウォーク ホームページ

【有限会社 管理人代行サービス】
住所:東京都調布市上石原1-47-27アドヴァンスビル3F
電話番号:042-482-2200
問い合わせ先:info@k-daiko.jp
有限会社 管理人代行サービス ホームページ

【自習室てなーす】
住所:東京都調布市上石原1-47-27アドヴァンスビル2F
電話:042-444-4321
営業時間:6時~23時
問い合わせ先:tenace@k-daiko.jp
自習室てなーす ホームページ

■箕輪雅則さんプロフィール
有限会社管理人代行サービス 代表取締役
自習室てなーす 代表
ちょうふチャリティーウォーク 実行委員

調布市富士見町出身、在住。有限会社管理人代行サービスの経営にとどまらず、調布市初の自主学習室
「自習室てなーす」の運営など事業活動から地域活動まで、調布市内を中心に精力的に活動している。

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