調布の中学生が作る小冊子「ぶちねこ便」300号に-手作りで25年間

中学生たちが制作する小冊子「ぶちねこ便~中学生へのお届けもの~」が号を迎えた

中学生たちが制作する小冊子「ぶちねこ便~中学生へのお届けもの~」が号を迎えた

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 調布市内に在住・在学する中学生たちが制作する小冊子「ぶちねこ便~中学生へのお届けもの~」が7月12日の発行号で300号を迎えた。配布は市内各図書館や公民館・小中学校など。

調布の中学生が作る小冊子「ぶちねこ便」300号に-手作りで25年間

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 同冊子は1984(昭和59)年、市中央図書館の「中学生読書会」に集まった参加者の中から中学生3人が手作りで制作したのがきっかけ。創刊時のタイトルは「○○○新聞」で、B4サイズ1枚の裏表2面だった。同年7月に発行した次号でタイトルが正式決定。メンバーも10人に増え、現在の冊子スタイルの基本になる「ぶちねこ便1号」が完成した。その後、図書館の協力を得ながら中学生と後輩たちが25年間発行し続け、現在は約20人で毎号20ページ以上を制作している。

 すべて手書き原稿で作られている同誌。中学生の仲間に親しんで読んでもらえるよう自分の文字で丁寧に文章を書き、イラストもさまざまな種類のペンを使いスクリーントーンをはり付け完成させている。編集長のペンネーム・煌愁(かぐやしゅう)さんは「イラストを描いた経験はなかったがやってみたらとても面白くて、もっと上手になりたいと思った。今は細い線をきれいに引くペンがたくさんあるが、昔はこんなに便利な筆記用具はあまりなくて先輩たちは太めのペンで文字もイラストも一生懸命に書いていたと思うと感心する」と話す。

 記事の内容は、エッセーやポエム・小説など各自の書きたい内容を自由に制作するページと、統一テーマに対してみんなの意見を出し合ってまとめる「特集」、その時期に話題の事柄を解説する「おしえて!ぶちねこ便」などから成る。今までに取り上げた事柄は「新型インフルエンザ」「麻生総理大臣」「調布駅付近連続立体交差事業」など。

 中学生をサポートする同館担当者は「皆さん熱心で自主的に進行し制作している。記事内容も豊富で、この冊子を見れば調布の中学生の生活が伝わってくる」と話す。創刊号にかかわった司書の根岸志のぶさんは「中学生にとって表現する場の一つになればと願って提案したが、それが25年も続き300号発行でうれしい。タイトルはみんなで相談して、中学生が中学生へメッセージをお届けするという意味で宅配会社の名前をもじって『ぶちねこ便』にした」と当時を振り返る。

 編集長の煌愁さんによると「これからもどんどん続いて1,000号までいってほしい。そのためには、新しいメンバーにたくさん入ってほしい。特に、中学1年生や2年生が少ないので募集している。気軽に参加して」と呼びかけている。

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