入院中の子どもに付き添う家族の休息場所「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」が5月15日、都立小児総合医療センター(府中市武蔵台2)にオープンした。
ミニキッチンがある広々としたダイニング 奥の屋外デッキは利用時間内なら自由に出入りできる
同センターと共同で同施設を開設したドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(DMHC)は、医療機関で治療を受ける小児患者家族の精神的・肉体的・経済的負担をサポートするため1999(平成11)年に設立。これまで、遠方から入院・通院している子どもと家族のため、病院に隣接した滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を全国12カ所で設置・運営。付き添い家族の限られた隙間時間に、病院内でより子どもに近い場所で気軽に休める「心と身体の休息場所」として2023年、日本では第1号となる「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム」を榊原記念病院(府中市朝日町3)に開設している。
小児の「こころ」と「からだ」を統合した高度・専門および急性期医療を提供し、都の小児医療の拠点を担う同センターは、年間延べ7900人以上の家族が入院に付き添う。2010(平成22)年、DMHCと共同で同センターの敷地内に「ドナルド・マクドナルド・ハウス ふちゅう」を開設し、長年にわたり「付き添い入院」の負担軽減に向け取り組んできた。今回、より多面的な支援の充実を図るため、国内2カ所目となる「ファミリールーム」を同センター内に開設、同一の病院に「ハウス」と併設して設置されるのは全国初の試みとなる。
オープンに先立ち、4月28日に行われた開所式では、高野律雄府中市長らの来賓による祝辞や、小池百合子都知事からのビデオメッセージが寄せられたほか、付き添い入院を経験した家族や医療従事者によるトークセッションを実施。「現場の声から考える休息の重要性」について意見が交わされた。
「わが家のようにくつろげる温かな空間」をコンセプトに、最上階の7階に設置された室内スペースと屋外デッキを合わせた総面積は約165平方メートル。広々としたダイニングやカフェスペースを設け、IHコンロや電子レンジ、冷蔵庫などを備えたミニキッチンでは簡単な調理も可能。多くの支援者から寄付された軽食や冷凍食品、飲料などを無償で提供し、コーヒーマシンや電気ケトルなども備える。付き添いの合間のテレワークやPC作業ができるワークスペース、個室の搾乳室、マッサージチェアルームなども設けるほか、「足を伸ばしてくつろぎたい」という家族の要望を踏まえ、仮眠もできる「寝ころび部屋」を設けた。医療スペースからひととき離れてリフレッシュすることで、患者と家族が前向きな気持ちで治療に臨めるよう「小児医療と社会をつなぐ架け橋として、子どもの治療を支える新しいモデル」を目指す。
利用時間は9時~21時(付き添い家族の大人のみ利用可)。