「ピンクの抽象画」で知られる画家・松本陽子さんの展覧会「松本陽子 宵の明星を見た日」が5月23日、府中市美術館(府中市浅間町1、ハローダイヤルTEL 050-5541-8600)で始まる。
「宵の明星を見た日」2023年 油彩、カンヴァス、木炭、パステル UESHIMA MUSEUM COLLECTION
松本さんは1936(昭和11)年東京都生まれ。1960(昭和35)年に東京芸術大学美術学部絵画科を卒業。1967(昭和42)年から約1年間アメリカに滞在し、ニューヨークでアクリル絵の具と綿のローキャンバス(下地塗りをしない画布)に出合う。帰国後、探求と修練を重ねて独自の手法を確立し、ピンクや紫系の色の重なりで光や水蒸気のような気配を表現した作品を制作。抽象画でありながら見る人に風景や自然を想像させる作品は高い評価を受け、全国の美術館に収蔵される。2000年代は油彩画にも取り組み「緑や黒、青などを用いた作品は深みや湿度を感じさせる」といわれる。
同展では、大学卒業制作からアクリル絵の具による模索期の作品、油彩画の新作まで、松本さんと選んだ代表作37点を全国から集めて展示する。今年描き上げたばかりの新作も初披露。5月で90歳を迎える松本さんの歩みをインタビュー動画と共に紹介し、65年間の画業と探求の軌跡をたどる。
美術関係者は「昨年発表した青と黒を基調とした作品はみずみずしく芳醇(ほうじゅん)で、今年の新作にも注目が集まっている」と評価。企画担当者は「美術館での大規模個展は初めて。作品サイズはどれも大きく、一辺が2メートルを超える絵画が並ぶ空間は壮観。訪れた人は大画面の迫力を存分に味わえるだろう」とコメントを寄せる。
関連企画として、「学芸員によるギャラリートーク」を5月23日14時から企画展示室(2階)で開く。企画展観覧料が必要。トークセッション「画家たちと語る松本陽子」を6月7日14時から講座室(1階)で行う。出演は画家の今井俊介さんと原田郁さんほか。「松本陽子インタビュー映像上映会」を6月13日14時と16時から講座室で開催し、上映の合間に「映像制作者によるトーク」を行う。講座「陽子さんの絵の65年」を6月28日14時から講座室で開く。講師は学芸員の神山亮子さん。「アーティストトーク」を7月11日14時から市民ギャラリー(1階)で開催する。定員は先着150人。
開館時間は10時~17時(展示室入場は16時30分まで)。会期中は月曜休館。企画展観覧料(コレクション展を含む)は、一般=800円、高校生・大学生=400円、小学生・中学生=200円、未就学児と「府中っ子学びのパスポート」利用者は無料。7月12日まで。