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調布・深大寺の秘仏「鬼大師」205年ぶり公開 「元三大師」国立博物館の出開帳記念で

厨子に納められた秘仏「鬼大師」

厨子に納められた秘仏「鬼大師」

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 日本最大の元三大師(がんざんだいし)像を安置する深大寺(調布市深大寺元町5)で11月3日から、同像の胎内仏(たいないぶつ)である「鬼大師(おにだいし)」が205年ぶりに特別公開される。

鬼大師特別御朱印とクリアファイル

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 今回の公開は、東京国立博物館で開催中の「伝教大師(でんぎょうだいし)1200年御大遠忌(だいおんき)記念特別展『最澄と天台宗のすべて』」に同寺の元三大師像が出開帳している記念として行う。前回「鬼大師」が公開されたのは1816(文化13)年、江戸・両国の回向院で元三大師像と共に出開帳したとき。その後は、二重の厨子(ずし)に収めたまま扉を開けない秘仏として祭ってきた。

 鬼大師が元々収まっていた元三大師像は、平安時代の僧で比叡山延暦寺第18代天台座主(てんだいざす)の慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)の座像。鎌倉時代に制作された2メートル近くある日本最大の肖像彫刻で、昨年3月に都の有形文化財に指定された。同寺では50年に一度の本開帳、25年に一度の中開帳に加え、昨年の指定を受けて10年ぶりの臨時開帳を予定していたが緊急事態宣言などで中止。しかし、平安の昔に元三大師が疫病神を退散したことから、コロナ禍でその利益(りやく)が注目され上野での出開帳となった。

 鬼大師は元三大師が鬼のごとく身を変えた姿で、205年前の出開帳では「その丈、五寸ばかり、両足の爪先を立て、膝を突き前こごみに座したる裸形の夜叉のごとし…その様、異形にして恐ろしき容体、まことか降魔の像といえるもよろしきなり」と記録されている。わずか15センチほどの像だが、その異様な姿に江戸の人々が驚いた様子が伝わる。

 期間中、鬼大師特別御朱印を特別デザインのクリアファイルと共に授与する(朱印料1,000円、朱印帳には書かない)。同寺が所蔵する江戸時代の古版木を現代の職人が一枚一枚刷った大判復刻札も数量限定で授与。鬼大師・角(つの)大師・豆(まめ)大師・元三大師御影(みえい)の4種類(1枚2,000円)。限定御守り(1,000円)限定散華(700円)もある。

 同寺広報の神原玄裕(かみはらげんゆう)さんは「コロナ禍にあって疫病退散のご利益で一躍有名になった元三大師さまが国立博物館に出開帳された。205年前の記録を重んじ、この出開帳のまたとない機会に鬼大師さまにも、ぜひお参りいただければ」と話す。

 公開時間は10時~16時。深大寺釈迦堂。鬼大師拝観料は500円(中学生以下無料)。11月21日まで。

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