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府中・大國魂神社で「くらやみ祭」 千数百年の歴史持つ祭り、来場70万人見込む

夜の府中で8基の神輿が渡御する「くらやみ祭」

夜の府中で8基の神輿が渡御する「くらやみ祭」

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 東京・府中の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ、府中市宮町3、TEL 042-362-2130)で4月30日から、「くらやみ祭(まつり)」の神事が行われる。見どころは5月3日「競馬式(こまくらべ)」、4日「萬燈(まんとう)大会」、5日「神輿渡御(みこしとぎょ)」など。

大太鼓が迫力ある大音をとどろかせて神輿を先導する

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 同祭の起源は同地に武蔵国府が置かれた時代にまでさかのぼる。かつては神輿渡御を深夜に行っていたため「くらやみ祭」と呼ばれ、「武蔵府中(むさしふちゅう)のくらやみ祭」として東京都の無形民俗文化財(風俗慣習)に指定されている。クライマックスの5月3日~5日はさまざまな行事が行われ、期間中70万人の人出でにぎわう。

 神事は、4月30日の「品川海上禊祓式(みそぎはらえしき)」から始まる。汐汲み(しおくみ)・お浜降り・汐盛りとも呼ばれ、神職一行が品川海上で身を清め、汐水を神社に持ち帰り、大祭中の潔斎(けっさい)に使用する。5月1日は大祭中の安全と晴天を祈る「祈晴祭(きせいさい)」、2日は8枚の鏡を塩で磨き清める「御鏡磨式(みかがみすりしき)」を関係者が行う。

 3日から6日までは市民が見物できる行事が続き、周辺地区の交通規制が行われる。3日は10台の山車による「囃子(はやし)の競演」(18時~)、烏帽子(えぼし)と直垂(ひたたれ)姿の騎手が6頭の馬を走らせて披露する「競馬式」(20時~)を行う。

 4日は「御綱祭」、萬燈(まんどう)の出来栄えや操る技を競う「萬燈大会」(12時30分~)、「子供神輿渡御」(13時~)でにぎわう。日本最大級の大太鼓が神社大鳥居前にそろう「太鼓の響宴」(17時~)と、提灯のともる22台の山車がはやしと競演しながら巡行する幻想的な「山車行列」(18時~21時)は人気が高い。

 5日はもっとも重要な「例祭」を執り行い、「宮乃咩(みやのめ)神社奉幣」「御饌(ごぜん)催促の儀」「動座祭」「威儀物(いぎぶつ)授与」「御霊遷(みたまうつし)の儀」と祭事が続く(一般非公開)。みこしや太鼓の通る道を清める「道清め」、御先祓(おさきばらい)大太鼓などを門内や拝殿前に並べ打ち鳴らす「太鼓送り込み」といった準備が整うと、メインの「神輿渡御」が始まる(18時~)。

 同神社は、武蔵国総社として一之宮から六之宮までを合わせ祭るため「六所宮」とも呼ばれる。神輿も御本社(大國魂神社、東京都府中市)、一之宮(小野神社、東京都多摩市)、二之宮(二宮神社=小河神社、東京都あきる野市)、三之宮(氷川神社、埼玉県大宮市)、四之宮(秩父神社、埼玉県秩父市)、五之宮(金鑽神社、埼玉県児玉郡神川町)、六之宮(杉山神社、神奈川県横浜市)、御霊宮(大國魂神社、東京都府中市)の8基が順に御旅所(おたびしょ)へ向かう。昨年から巡行路が延長され、沿道の脇から迫力ある大太鼓や熱気あふれるみこしを見物できる。

 同日夜、境外末社の「坪宮神事」、大國魂大神が当地に降臨した故事に基づく「野口仮屋(かりや)の儀」、宮司が馬に乗り矢を射る「やぶさめ式」が関係者によって古式ゆかしく行われる。翌未明、みこしは御旅所を出て担当町内を巡行した後、同神社境内に戻る。6日、還ったみこしから御霊を本殿に遷す「鎮座祭」をして終わる(一般非公開)。

 現在、同神社境内の施設「ふるさと府中歴史館」(TEL 042-335-4393)で「くらやみ祭展 くらやみ祭の歴史と民俗」を開催中(無料、6日まで)。4日は画家の綾部好男さんと府中市郷土の森博物館長の小野一之さんによるギャラリートーク「くらやみ祭を支える人々」を行う(14時~15時)。

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