府中市が「府中市平和都市宣言」40周年を迎え、府中市郷土の森博物館(府中市南町6、TEL 042-368-7921)で現在、企画展「発掘された戦争の記憶」が開催されている。
府中市郷土の森博物館収蔵後、初公開の「百式司令部偵察機の尾翼」
同市は1986(昭和61)年8月15日、世界の恒久平和への願いと郷土を未来に引き継ぐ決意のもと「府中市平和都市宣言」を行った。40周年という節目の今年、さまざまな平和啓発事業を展開している。
同展では「旧陸軍調布飛行場白糸台掩体(えんたい)壕」を入り口に、市内の発掘調査で出土した資料を通して戦時下の暮らしや終戦直後の様子を紹介する。
掩体壕とは戦闘機を空襲から守る格納施設で、調布飛行場周辺にはコンクリートで覆われた有蓋(がい)掩体壕約30基、土塁で囲まれただけの簡易な無蓋掩体壕約100基が造られた。そのうち、現存するのは市内の2基(うち1基は非公開)と府中市・調布市・三鷹市にまたがる都立武蔵野の森公園内の2基のみ。市は同宣言20周年の2006(平成18)年に白糸台掩体壕の保存を決め、2008(平成20)年に史跡指定し、2012(平成24)年に一般公開した。展示担当の深澤靖幸さんは「調査した構造などから戦争末期の様相を探る」と話す。「戦時下の建造物は考古学の調査・研究の対象としても注目されている」とも。
特別公開として、2021年に白糸台の旧家で発見された「百式司令部偵察機」の尾翼を、同館収蔵後初めて展示する。同機は旧陸軍の主力偵察機で、実物は英国王立空軍博物館にしか残っておらず、尾翼は貴重な資料だという。
展示では、金属不足を背景に焼き物で作られた缶詰容器や、終戦後に廃棄されたと見られる小銃・銃剣など、発掘調査で見つかった出土品や資料約40件約80点を紹介。深澤さんは「国府の置かれた府中は発掘調査を精力的に行ってきた。それらの遺構や遺物から戦時の記憶をたどる。戦場に駆り出されたのが誰で、どこと戦ったのか、それを支えた人々の暮らしぶりを伝え、終戦直後の様子にも目を向ける」と話す。「モノを見つめ、声なき声に耳を傾け、平和への誓いを新たにする機会になれば」とも。
同館プラネタリウムでは8月11日~16日、「特別投映『いま、地球の上で』」を行う。平和都市宣言の全文を紹介しながら、星や景色を投映し平和について思いをはせる番組。12時30分から約10分間で、観覧は入館料のみ。
開館時間は9時~17時(最終入館は16時)。休館日はホームページで確認できる。入館料は一般300円ほか。10月25日まで。
同市は、8月に府中駅周辺施設で「平和展」も開催する。府中市市民活動センター「プラッツ」(宮町1)では6日~9日、13日~17日。フォーリス1階「光と風の広場」(宮町1)では10日~12日。いずれも無料。